TOP > 宣誓供述書の作成
公証人が私署証書(作成者の署名、署名押印又は記名押印のある私文書のこと)に認証を与える場合においては、
当事者がその面前で証書の記載が真実であることを宣誓した上、証書に署名若しくは押印し、又は証書の署名若しくは押印を自認したときは、その旨を記載して認証する制度を宣誓認証制度といいます(公証人法58条ノ2)。
上記の、公証役場において、公証人から宣誓認証を受けた文書のことを宣誓供述書といいます。
海外の手続きにおいて公的な証明として利用される「AFFIDAVIT」も、この「宣誓供述書」を指す場合があります。
どのような内容の宣誓をしたかということと、その宣誓をした事実を証する制度です。
宣誓した内容の真実性や正確性を証するわけではありませんが、公証人は、内容に違法や無効等がある文書についての認証を行うことが出来ませんので、文書の記載内容に関する点検と審査が行われるため、一定の信頼性が担保されます。
また、本人確認資料の提示をした上で、公証人の面前で起立し、「良心に従ってこの証書の記載が真実であることを誓います」等と記載された宣誓書を読み上げてから行われますので、証拠能力が高く、将来的な紛争の予防にも大きな効果が期待出来ます。
宣誓供述書の作成に関しては、同一の証書2部を用意し、公証人が認証して、1部を本人が受け取り、もう1部は公証役場に保管されます。
宣誓供述書の活用範囲に制限はありませんが、主として、以下のような活用方法があります。
1 | 重要な目撃証言等で、証言予定者の記憶の鮮明なうちに証拠を残しておく必要がある場合 |
2 | 供述者が高齢又は重病、もしくは海外出張などにより、法廷での証言が困難になる可能性が高い場合 |
3 | 現在は供述者の協力が得られるが、将来、協力を得ることが困難となることが予想される場合 |
4 | 相手方の働きかけ等により、供述者が後に供述内容を覆すおそれがある場合(証拠の保全) |
5 | 推定相続人の廃除の遺言をした場合に、遺言者が廃除の具体的な理由を宣誓供述書に残しておく |
6 | 契約書作成の際に、周辺の事情を知る関係者の協力を求めて宣誓供述書を作成してく(紛争予防) |
7 | 外国会社の日本支店を設立するにあたり、外国会社の存在を証明するため、および、その定款や性質を識別したり代表者の資格を証するために宣誓供述書を作成し、本国の公的機関等に証明してもらう。 |
DV防止法(正式名称:「ドメスティックバイオレンス防止法」)においては、夫婦又は内縁している事実婚の配偶者からの暴力被害について、裁判所に保護命令の申立を行うことが出来、緊急一時保護施設への避難や、裁判所から加害者に対して接近禁止や退去の命令を出してもらうことが出来ますが、この「保護命令」申立ての要件として、配偶者暴力相談支援センターに指定されている機関への相談を受けているか、または、公証役場において、配偶者から暴力を受けている状況を記載した「宣誓供述書」が必要となります。
宣誓認証における公証人手数料は、一律金11,000円(外国文である場合は一律金17,000円)です。
宣誓対象となる文書の、具体的な宣誓項目などの文面作成を行政書士や弁護士に依頼する場合、事案の内容により、別途3万~10万程度の費用がかかります。
宣誓認証は、本人が公証人の面前で宣誓することが要件となっております。
そのため、一般の私署証書(契約書など)で認められている代理人による嘱託は認められません。
将来的に無効または不能により取り消しうる書面については認証することが出来ません。
公証役場における宣誓に関しては、偽証罪(刑法第169条)が適用されませんので刑事罰は受けませんが、公証人法第60条の5により、証書の記載が虚偽であると知りながら宣誓をした者は10万円以下の過料に処せられます。
【1】宣誓供述書
【2】認証文
【3】宣誓供述書(英文)